日本時間4月7日にGPS衛星の時計がリセットされるのにご注意を
「下関北九州道路の予算(調査費)は私が忖度した」発言が大きな騒ぎになっています。
結局発言主の副大臣は更迭されることになったようですが、知事選の応援にやってきて、地元の有力者を持ち上げようとついホントかウソか分からない話を「盛ってしまった」のでしょうね。完全にクローズドな会ならウケて終わりでしょうが、自民党が分裂含みの当地の知事選ですから、自民支持者の集まりと言っても言葉尻を捉えようとする人はきっといますよ。
…ということすら分からないド素人だったということだと思いますが、せっかく前向きに動き始めた下関北九州道路だけでなく、知事候補にケチがついてしまったのも残念ですね。
しかし、この一件をきっかけに、1年ほど前に下関北九州道路に関して書いた記事がアクセスを伸ばしているようです。有用性について書いたつもりなので、今回のことをバネに「必要な道路なんだ」という方向で注目していただけるとありがたいです。
さて、今回はこのメールをきっかけにGPSの話。
海上保安庁からのメールサービスに「GPS受信機のロールオーバー」という聞きなれない言葉があって、測位に影響が出るかもとあったので、調べてみました。
検索すれば答えはすぐに出てきますが、その前提となる知識。
GPS受信機が何をしているかというと、衛星からの電波を受信し、その到達時間から衛星と現在地の間の距離を測定すること。衛星の位置情報も送信されているので、複数の衛星からの距離が分かれば、円が交わるところを計算して現在地の座標が得られるという仕組みです。
「電波の時間差から距離を測る」という仕組みのため、GPSには正確な時計が必要です。そのため、GPS衛星には原子時計が搭載され時刻情報も発信しています(具体的な測定法は長くなるので割愛)
GPSには時刻情報が大事という前提で、その管理方法はというと、「週」と「秒」なんですね(図をいただいた「みちびき」のサイトなどから)
そのうち「週」の部分が10bitで、1024週目にはゼロに戻ってしまうというわけ。
20年弱の間に繰り返される、システム上の脆弱性です。
昔あった「2000年問題」と同じですね。日付などのデータ長を当面問題ない幅に切り詰めて実装すると、どこかでオーバーフローするのです。ソフトウェア側で対応は可能ですが、どこかで修正漏れや設計ミスがあると誤動作につながります。
GPSの時計(GPS時)は、1980年1月6日を起点としており、今回のロールオーバーは実は2回目。そのため、新しい機器は対応しているようですが、もしかしたらGPS受信機の時計が戻ってしまうかも(あるいは時刻が取得できなくなるかも)といった懸念はあるということ。
GPS時は、始まった時点では協定世界時(UTC)と一致していますが、UTCにはときどき「うるう秒」があるので、現在UTCとGPS時は18秒のズレがあります。原子時計ベースなんだから国際原子時(TAI)を送り続ければいいじゃんと個人的には思いますが、あくまでも起算日のUTCベースなので、TAIとGPS時の間にも19秒のズレがある…
日常生活では知らなくてもいいことですが、天体の動きにゆらぎがあり原子時計と一致しない以上、「時刻」の定義のややこしさはこれからも付きまとうのです…
本家米国のGPS.govでは、ロールオーバーまでのカウントダウンが用意されていて、ひそかにお祭り状態。
その下にはちゃんと注意事項などの情報あり。
GPS.govの中を少し眺めてみると、GPS衛星の世代交代や新機能について紹介されています。
右側の「新世代」と書かれている衛星での運用になると、GPS時の「週」の情報は13bitに拡張され、2137年まで今回のようなロールオーバーは起こらなくなるようです。100年以上先なら、次のロールオーバーまでにゆっくり新システムの準備ができますね。
猫には関係ないスよね?
えーえー、ゆっくり寝ていてください。
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