« 花見帰り、カラスがハンガーを失敬するところを目撃 | トップページ | 熊本の震災から間もなく2年、豊肥線復旧には遠く »

2018年4月 5日 (木)

宇宙施設の墓場「ポイント・ネモ」付近を飛ぶ飛行機はあるのか?

もはや忘れ去られているかもしれませんが、3月末にこのような報道がありました。

中国初の無人宇宙実験室「天宮1号」 すでに制御不能か 中国は反論

中国が有人宇宙ステーション開発の前段階として打ち上げた無人宇宙実験室「天宮1号」

役目を終えて徐々に高度を下げており、いよいよ大気圏突入待ったなし。大半は燃え尽きるものの、一部は地表への落下が予測されました。

欧米サイドは「コントロールを失っておりどこに落ちるやら」と、突入予測期間もかなり幅を持って発表。一方の中国側は「制御下にあり南太平洋に落下させる」と反論。

最終的には無事南太平洋に落下したようで、被害の報道はありません。

これに関連して、落下後に出た次の記事が目にとまりました。

陸から最も離れた海、宇宙施設の墓場「ポイント・ネモ」

Nemo2

ロシア(旧ソ連)を中心に多くの宇宙施設がここに落下させられているということ。広い範囲に陸地がないほか、海洋生物に配慮する必要も少ない(本当か?)という理由が記事に挙げられています。

「海洋到達困難極」として知られるこのポイントは(到達不能極という表現も見ますが、行く方法はあるので困難のほうが実情に合っています)、wikipediaによれば、

  • ピトケアン諸島のデュシー島
  • イースター島の属島モトゥ・ヌイ
  • 南極マリーバードランドシプル島沖のメイハー島

からそれぞれ2690km離れている海上のポイント。

Nemo3

GoogleMapにプロットするとこんな感じ。

左上からデュシー島とイースター島、下がメイハー島で、真ん中がポイント・ネモ(Point Nemo)

Nemo1

メルカトル図法では位置関係が正確でないので、GoogleEarthで表示したもの。

真ん中がポイント・ネモ、3つの島の位置は点が小さくてわかりにくいですが、少なくとも丸の中の海域には陸地が一つもないとご理解ください。

「島がない」と知り、気になったのはここを飛ぶ飛行機があるかということ。上の記事を見たときに「ここを飛ぶ便が少ないのも、落として平気な理由だろうな」と思ったのと、島(空港)がないと航空路の設定にも影響するから。

Nemo4

南太平洋を横断していく路線をざっと調べて出てきたのが、

  • カンタス航空のシドニー~サンティアゴ(赤)
  • ニュージーランド航空のオークランド~ブエノスアイレス(黒)
  • LATAM航空のサンティアゴ~シドニー(オークランド経由;青)

空港間の大圏ルートをプロットすると、いずれもポイント・ネモより南極寄りを飛ぶことになります。

そう上手くいくのか?

Nemo5

Great Circle Mapperというサイトでシドニー~オークランド~サンティアゴをプロットしてみました。このサイトの面白いのは、最短距離の大圏コースを示してくれるほか、ETOPSの条件で地図の塗り分けができること。

オーストラリアとニュージーランドの間はETOPS120で十分ですが、その先はETOPS120では繋がりません。ETOPS180ならなんとか繋がるけどかなり遠回り。ETOPS240でも大圏コースは無理です。

最近はETOPS330というのもあり、B787などは取得できます。それなら最後のところも塗りつぶすことができるので、実際には大圏コースに近い航路を飛んでいるのかもしれません。

Nemo6

同じ条件で北太平洋を塗ってみると、いかに南太平洋に着陸可能な空港が少ないかが分かると思います。

南太平洋の航空事情、日本から遠く、就航路線も少ないので正直なところよくわかりません。チリやアルゼンチンに行くのにニュージーランド経由という手もあるということだけは覚えておきます

« 花見帰り、カラスがハンガーを失敬するところを目撃 | トップページ | 熊本の震災から間もなく2年、豊肥線復旧には遠く »

航空・鉄道」カテゴリの記事

飛行機・空港」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 花見帰り、カラスがハンガーを失敬するところを目撃 | トップページ | 熊本の震災から間もなく2年、豊肥線復旧には遠く »

無料ブログはココログ