« スターフライヤー13号機到着、そして夏ダイヤ発表 | トップページ | JA23MCとJA08MCの、「金帯兄弟」を撮ってきた »

2014年1月25日 (土)

自分のスマホを変えた後でようやくLTEの勉強をした

以前の機種の端末代金の割賦が終わるので、そろそろと思いスマホの機種変更をしました。

Img_1693

4GやらLTEやらいわれている通信規格のものです。無線LANが11aに対応しているのも個人的にはありがたい変更ですが、それは別の話ですので割愛。

実際に使ってみて、通信速度の速さよりも、通信が始まるまでの立ち上がりが早くて驚きました。そのため、同じアプリを使っても3G世代のスマホよりストレス少なく使えます。後述するネットワーク設計の違いが大きいのだと思いますが、モデムのネゴシエーションを待つ必要があるのが3G、「常時接続」されているのがLTEといった印象。もちろん、OSやCPUの違いもあると思います。

そして、筐体の大きさや重さはほとんど変わらないなのに電池の持ちがいい。今更ながら技術の進歩に驚かされたので勉強してみました。

まずはCMなどで出てくる用語から。

一世代前の携帯ネットワークが3G(第3世代)と呼ばれるものですが、LTEは厳密には3Gと現在開発中の4Gの橋渡し的技術で、"Long Term Evolution"の頭文字をとったもの。4Gとして求められる水準には達していないけど、必要に駆られて4G技術の一部を先行投入したわけですな。世代については本来は"3.9G"と呼ぶようですが、欧米の一部企業の動きを追認する形で「国際電気通信連合」が、LTEも4Gと呼んでいいと認めたために、4Gという表現が先行している傾向もある。なんかややこしいことになっています。

LTEに対して「4Gなんて盛った表現して…」と思ったこともあるのですが、3Gとは通信技術やネットワーク設計が根本的に異なるので、3Gと同列はかわいそうだし誤解を生みます。「4Gの序章だな」というのが調べてみたあとの感想です。

高速化のための技術がいくつかありますが、この記事では以下のようにまとめられています。

  1. 利用周波数の柔軟性
  2. 変調方式の追加
  3. MIMOなどのマルチアンテナ技術の採用
  4. OFDMAの採用

1番目の周波数帯については、限られた電波資源を有効に利用し、かつ高速化の要望に応えられるよう、1.4MHz~20MHzと選べる周波数帯に幅を持たせています。周波数帯を広くとって高速化することも、細かく分けて接続数を確保する方向に振ることも出来るわけです。

2番目の変調方式。

デジタル信号を伝えるのは、電波をON/OFFするだけでも可能です(モールス信号のような方法)。しかし、そんな方法では高速化に限界があるので、まとめて伝えるデジタル専用の変調方法が発達しています。

64qam
(図はこちらから)

LTEでは位相と振幅の組み合わせを増やし、1周期で6ビットも送れるようになりました。しかし、電波が届きにくいとエラーが増えますから、必要に応じて「遅いが確実」な方法に変更されます。速度が変化すると言えば、ADSLモデムや昔懐かしいアナログモデムも、通信確立前に信号を送りあってネゴシエーションをし、どの速度で通信するのか決めております。

3番目は、例えばアンテナ2本でそれぞれ同時に通信すれば速度が倍になることが期待できますし、通信が不安定なときは2つで受信したものを合わせて確実に信号を拾うといった使い方もできます。無線LANの親機にアンテナが複数付いているのも同様の目的です。

4番目は、複数の接続を効率よくさばく方法の違いで、図にするとこんな感じ(こちらの記事から)

Multiaccesss

FDMAはアナログ時代の携帯電話や無線LANのチャンネル管理
TDMAは初期のデジタル携帯(PDCやGSM)
CDMAは3G携帯では主力(CDMA2000やW-CDMA)

昔、CDMAの理論を知って「ほぅ」と思ったのを覚えていますが、実装まで容易に理解できるものではありませんでした。

最後のOFDMAがLTEで使われているわけですが、相当複雑なしかけです。

Ofdma

サブキャリアの幅は15kHzと狭いのですが、隣同士干渉しない絶妙な幅に設定してあります(それが何故なのかは私には理解できませんがcoldsweats01)。たくさんのサブキャリア(図によれば12個ごとの管理なのかな)をさらに1ms(ミリ秒)ごとに分けて、それぞれのユーザーに割り当てていくというとんでもないことをやっています。

CDMAは干渉には強いのですが、周波数幅を細かく変えるのは難しいですから、サブキャリアの数を変えるだけで周波数帯を増減できるこのような方法が選ばれたのでしょう。また、ユーザーが必要とする分だけ電波が割り当てられるので、後にも書きますが、パケット通信に最適化した設計と言えます。

Csfb

スゴイ技術が詰め込まれているLTEですが、携帯「電話」として使うことを考えると少し問題があります。パケット通信専用に作られているので、そのままでは電話回線を繋いで通話することが出来ないのです。現在(少なくとも日本では)、電話の着信があると、3Gの「交換回線」で接続をやり直して通話を開始するようになっています。電話が繋がるのを待っている間に、こんなことをやっているんですね。

LTEや今後出てくる4G網がパケット通信専用ということは、いずれはパケット通信網に通話のデータを流す必要があります。既にVoIP技術を使った「通話アプリ」はあります。Skypeや、メッセンジャー機能の方が有名になってしまいましたがLINEもそうです。ただこれらは、通話のことを考えられていない遅延の大きいパケット網を通るので、(個人的感想ではありますが)音質は酷いものです。

キャリアのほうで、LTE網に音声データを流す仕組みを作るのがVoLTE(Voice over LTE;ボルテと読む向きもあるようだがなんか気持ち悪い)です。3G網より遅延は少ないですから、QoSがちゃんとしていればおそらくは問題ないでしょう。世界的には実用化されている地域もあるようですが、日本ではこれから。そんなおり、昨日ソフトバンクからこんなリリースがありました。

VoLTE時代の革新的な新定額サービスが登場!
~スマートフォンの音声通話とパケット通信がパックになった定額サービス!~

すぐにVoLTEを始めるわけではないが、その時を見越して通話も含めた定額の料金体系を始めるそうです。docomoやauも追随することが予測されます(私は滅多に自分からかけないのでどうでもいいですがbleah

通話が3G網に依存しなくなれば、ネットワーク負荷は(通話分も含めた)パケット通信量に依存することになりますから、通話回数や時間に対する課金ではなく、通信の総量に対して課金するのが合理的になります。通話料はかけた側が払うのが基本なので、その扱いが問題になりますが。

VoLTE時代になって通話機能や料金体系がどう変わるか。実感するのはまた2年後ですかね?その前に妻が機種変更するかな?

#2/28追記

ソフトバンクのこの料金プラン、「定額」ではないことに気づいたので、こちらに解説を載せました。プレスリリースの読み込みが甘かったと反省しています。

|

« スターフライヤー13号機到着、そして夏ダイヤ発表 | トップページ | JA23MCとJA08MCの、「金帯兄弟」を撮ってきた »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/540556/59009430

この記事へのトラックバック一覧です: 自分のスマホを変えた後でようやくLTEの勉強をした:

« スターフライヤー13号機到着、そして夏ダイヤ発表 | トップページ | JA23MCとJA08MCの、「金帯兄弟」を撮ってきた »