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2011年3月26日 (土)

守れないマニュアルに意味はない

大上段に振りかざすようなタイトルで申し訳ない。

実は我々の業界にも「守れないマニュアル」「形骸的な手続き・書類」「本当に必要か客観的に検討されていない慣行」というのが結構あって扱いに困っております。

ただ、航空業界でこういうのは珍しいというか、少なくとも継続的には起こらないような取り組みがされていると思っていました。

スターフライヤー機、タンク水抜きせずウソ記録

 国土交通省航空局は25日、スターフライヤーが、同社の整備規定で毎日実施するとしている燃料タンクの水抜き作業を、就航当初の2006年3月頃からほとんど行わず、整備記録には実施したように記録していたとして厳重注意し、再発防止策を文書で報告するよう求めた。
 航空局によると、同社の内部監査で、運航するエアバス320型機5機の燃料タンクの水抜き作業が、ほとんど行われていないことが発覚。同社から報告を受けた航空局の立ち入り検査で、整備記録のうその記載も確認された。水抜きをしなかったことによるトラブルはなかったという。
 同社は「整備管理体制の見直しなど、再発防止に努めたい」とのコメントを発表した
(2011年3月25日23時57分  読売新聞)

真実を知り得る立場でないので憶測ですが、こういう「サボり」が起こるのは「トラブルがなかった」という結果から逆に考えるとたいていこういうパターンです。

  1. 燃料タンクに水が少したまったくらいではエンジン止まらないよなぁ…
  2. そもそも、水抜きしてもほとんど水出ないじゃん。汚れる割に意味ないよな
  3. 「俺ひとりくらいやらなくても大丈夫だろ」と考える奴が現れる
  4. 日常会話や飲み会の席で何となくその考えが共有される
  5. 結果、多くの人が時間の余裕があるときや、堅物の同僚・チェッカーがいるときしか水抜きをしなくなる

こうやって、「守られないマニュアル」が出来上がります。

心当たりはありませんか?

今回のようなケースでは、タンクの水抜きを「こういうときには省略して良い」というようにマニュアルを改訂してしまうのが一つの解決法です。

しかし、一度「毎日やる」と決まったものを変えるには、

  • どのくらいの水が溜まったら飛行に影響が出るか検証する(メーカーの設計やその意図を調査する必要があるでしょう。それとも、実際にエンジン止まるまで水を入れてみますか?)
  • 1日の飛行あたり、あるいは給油量あたりで、水がどのくらい溜まるのかを調査する。もしかしたら燃料の質に相当なばらつきがあるかもしれません
  • メーカーや国交省の定めで「毎回やるべし」となっているのであれば、そちらに折れていただくだけのデータや交渉が必要です

といった作業が最低限必要で、「現場の人間がマニュアルを守り続ける」以上に労力が必要になりがちです。マニュアルを見直して改めていく仕組みがないと、容易に形骸化する一つの例だと思います。

もしも、ですが、絶対に省いてはいけない作業をとばしていたのであれば、一番良いのはそれをしないと次へ進まないような物理的手段を講じること(難しいですが)。次は教育しかないです。これまた難しい…

SFJがらみではこういう寂しい記事も

原発余波予約解約も スター社 釜山-北九州にチャーター便

 新規航空会社のスターフライヤー(北九州市)は25日、北九州-韓国・釜山の初のチャーター便運航を始めた。北九州発の第1便は韓国への2泊3日のツアー客約140人でほぼ満席だったが、釜山発の折り返し便は、東日本大震災による原発事故の影響で予約のキャンセルが相次いだ。
(中略)同社はこの日、同じ機体を使い、関西から釜山に向かうチャーター便も運航したほか、折り返し便として釜山-北九州、関西便も運航。関西行きは、大震災前にほぼ満席だったツアー予約が全席キャンセルとなり、北九州行きも利用は約20人にとどまった
(中略)来年7月に初の国際定期便として北九州-釜山線への参入(1日2往復)を計画しており、米原慎一社長は「チャーター便で実績を積むことで、定期便開設に向けた手続きがスムーズに進む」としている。
=2011/03/26付 西日本新聞朝刊=

西日本の人間はあまり気にせず海外に行っているけれども、隣の韓国から見ても、「今の日本に行くのは西日本であっても怖い」と思われているということがよく分かります。

残念ながらしばらくそういう状態が続くのでしょう。
最後の社長のコメントに泣けてきます。
SFJをはじめ航空各社は踏ん張りどころです。
なんとか早く明るい話題が欲しいものです。

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